サム・メンデス演出、マーク・ゲィティスがローレンス・オリビエ賞主演男優賞受賞の話題の舞台「ザ・モーティブ&ザ・キュー」をナショナル・シアター・ライブでみました。
本作は1964年に大好評を博したリチャード・バーテン主演、ギールグッド演出の「ハムレット」の舞台の創作秘話を演劇化したもので、演出家と役者の解釈の違いによる激しい対立・口論は、職場における我が身と重なり大いに身につまされ、演出家が主演男優のバックボーンを学びアプローチ方法を変え、最終的にどちらか一方が折れるのではなく新たな境地を見出す下りには、天啓を得た心地でした。演劇とは常に観る側の創造力が試されており、観客もまた作品の一部であると気づかされる作品でもありました。
上映後、本作の字幕を担当した柏木しょう子さんと、著書「逃げても、逃げてもシェイクスピア」で知られる翻訳家松岡和子さんのトークショーがあり、芝居の舞台裏や字幕作成秘話が披露され、作品の真髄を伝える上でこの名訳(字幕)が不可欠であったと、あらためて創作の奥深さに感じ入ることとなりました。
成功の納品へ日々真剣勝負。
(K.K.)