フィンランドセンター:フィンランド オウル (2022年開設)
センターより、直の、今の情報を発信して参ります。
フィンランドに来て驚いたことは、トイレにシャワーのようなものが設置されていることです。
これは “Oras Bidetta”という名称で呼ばれており、ビデの代わりのハンドシャワーとして外付けされています。
使用方法は至って簡単で、洗面台の蛇口をひねった後、ハンドシャワーのレバーを引けば、室温程度の水が出る仕組みになっています。用途については、本来の目的はもちろん、洗面所を洗ったり、さらには髪を洗ったりすることもできるようです。
ハンドシャワーは1960年代に既にアメリカで開発されていましたが、利便性が悪くフィンランドではあまり普及が進んでいませんでした。しかし1970年代にフィンランド人であるOrasというエンジニアが改良版モデルを発表すると、テレビ広告も功を奏して、フィンランド各地で設置されるようになったそうです。
今日では寮などの私的領域から公共施設まで様々な場所で、1979年にOrasが特許を取得したモデルがそのまま使用されています。
世界に目を向けると、ハンドシャワーは中東や南アジアなど一部の地域で見られるようですが、ヨーロッパ諸国の中ではフィンランドとエストニア以外ではあまり見ることが出来ないようです。一方日本では、ハンドシャワーを見る機会は少ないですが、ほとんどの洋式トイレでウォシュレット機能の一部として搭載されていることは周知の事実かと思います。
形は異なりますが、意外な点でフィンランドとの親和性を感じることができました。
M.E.