EUセンター: ドイツ ハイデルベルク (2000年開設)
日々の暮らしでちょっと気になるテーマに注目!
自分の住む町の市営駐車場のアプリを入れました。
空いている駐車場がどこなのかが分かり、駐車券を普通に取って入るものの、出庫時に駐車券に印刷されているバーコードを読み込んで決済して出ていくというものです。
日本ほど便利さを追求しないドイツでは珍しく、久しぶりにこれは極めて便利と感じました。
ドイツは券売機や精算機が壊れていることが多く、修理に時間がかかるため、壊れているものに当たる確率は高くなります。
壊れていなかったとしても、お釣りの小銭が十分でない場合は、例え最少額の紙幣であってもお札を受け付けません。
そのため、券売機や精算機を利用する可能性がある場合は、小銭を忘れないように注意が必要でした。
それが市営駐車場についてのみとはいえ、このアプリでようやく解決できたのです。
一方で、観光客はお釣りがないためにお札を受け付けない機械があるという事態がすぐには飲み込めません。
券売機で何度もお札をいれては吐き出されるのを繰り返し、お札の皺を伸ばしてみたり角の折り目を直してみたり。
最終的に「お札が入らないのですが、この機械は壊れているということでしょうか」と途方に暮れて声をかけてくることがあります。
チケットが無事に買えても、乗車したトラムの車内で刻印をしなければ有効なチケットとは見なされず、車内の刻印機が3台中2台壊れている場合もあります。
故障中の紙が貼ってあれば分かりやすいものの、貼られていないものもあるので、様子がおかしいと思ったら、別の機械でトライするのはドイツ人やヨーロッパに住む人にとってはもはや常識。
しかし、日本人の多くは、公共の機械が壊れている状況に遭遇するということが少ないために戸惑うようです。
駅の券売機が故障で券が買えなかった場合は、私は壊れている時刻や状況が分かるように携帯で撮って、とりあえず電車に乗ってしまい、車掌が来た時に説明ができるようにしておきます。
今回は駐車場のアプリに味をしめ、市内公共交通機関のEチケットアプリも入れてみたものの、サービス提供側の技術的な問題で上手くいきませんでした。
公共のものでありながら、この程度の仕上がり度で世の中に出してしまうとは…とその感覚にやや苛立ちも覚えましたが、最終的には「とにかくやってみよう」というドイツ的な感覚なのだと理解しました。
私がドイツに住み続ける理由・魅力は、不便さを乗り越えていく個人の発想力が求められる点とトライアンドエラーをしながら進むことが許されているという点にあるかもしれません。
(Y.A)