EUセンター: ドイツ ハイデルベルク (2000年開設)
日々の暮らしでちょっと気になるテーマに注目!
ドイツから日本に一時帰国すると慣れるのに数日はかかります。
よくやってしまうのが車を運転しようとして助手席のドアを開けてしまうこと。
助手席に乗ろうとして運転席側に回るというのもよくあります。
ドイツでは左ハンドル、右側通行なので反対なのです。
一方、ドイツのタクシーは自動ドアではないのでドアは自分で開けることになっています。
そこで日本のタクシーに乗ろうとするや、突然ドアが開くので驚いて後ろに飛び退り、降りる時には閉めようとして、「自動です!」とドライバーさんがやや心外な様子で言ってくることも。
役所に出向くと、うっかり青色ボールペンで記入してしまって書き直しすることになったり、さらにチェック欄に✓ではなくドイツ式に×をつけてしまって、「✓で書き直しお願いします」と注意され、「分かればいいじゃないか。些末的なことに左右されて…」と憤慨したり。
子供の生まれた年を聞かれ、「調べないと分かりません。あ、西暦なら分かるんですが、和暦だと…」と慌ててスマホで確認したり。
自動販売機で飲み物が買えるのに自販機がそうそうはないドイツの習慣からペットボトルに水を入れて持ち歩いたり。
深々と頭を下げられると逆に居心地が悪くなって自分もそれ以上に深くおじぎしてみたり。
人にぶつかりそうになった時にどう見ても日本人なのに外国人のように「Oh, Sorry!」と言ってしまったり。
スーパーのレジ係さんがコードを読み取った後の品物を目にも止まらない速さで自分のエコバックに入れてしまったり(ドイツではレジでは速く作業しないとレジ係さんはお金を受け取るや否やすぐに次の人の品物を読み込みはじめ、品物が混ざってきてしまうことがあるので手早く作業する必要があります)。
久しぶりに会った友達を思わずハグしようと急に近づき、相手がたじろがせてしまったり。
数え上げれば切りがありません。
ドイツの当たり前が日本人にとって当たり前でないように、日本人にとっての当たり前は当然のことながら世界の当たり前ではありません。
いつぞや、ドイツ人の友人に「日本の炊飯器は歌うのね!」と言われて何事かと思いましたが、何のことはない、米が炊けた合図にきらきら星の一節が鳴った時の話です。
これはむしろ合図なのであって突然炊飯器がだみ声で歌い出しでもしたら驚愕する、いくら日本がロボット分野で頑張りたいと思っているとは言っても、炊飯器の声色やレパートリーが増えることはまずないだろうと説明しておきました。
それを言ったら日本ではエレベーターも切符販売機も皆おしゃべりすることになります。
遠くのアナウンスや通りすがりの話し声でさえ言葉として聞き取ることができ、よく知っているはずの祖国ですが、たまに帰ると外国人の皆様が、日本では当たり前と受け止められている色々なことに驚きながら日本を旅し、あるいは日本に住んでいるであろうことが分かります。
そんな日本の当たり前にすぐに慣れない外国人および一時帰国者をぜひ暖かい目で見守って頂ければと思います。
(Y.A)