EUセンター: ドイツ ハイデルベルク (2000年開設)
日々の暮らしでちょっと気になるテーマに注目!
先の日曜日、教会の前で椰子の葉を持った聖職者が立って歌っているのを見て、
「棕櫚の主日」、復活祭の1週間前の日曜日であることを思い出しました。
イエスの受難が始まるエルサレム入城を記憶するもので、
ここから復活祭までの1週間が受難週です。
この期間にはイエス・キリストが十字架刑で殺される受難の
過程を再現する劇が世界各地で開催されます。
ちょうどその日に向かったのが十年に一度、
村人総出で大がかりな受難劇が催されるとして有名なオーバーアマガウという小さな村です。
南ドイツ/バイエルンアルプスに囲まれ、オーストリアとの国境近くに位置しています。
1633年「ペストの蔓延が収まったら受難劇を10年に一度上演する」
という誓いを立てたことがきっかけとなり、
その翌年から実に370年以上も受難劇を上演し続けてきました。
十年に一度しか開かれないお祭りとあって
ヨーロッパはもとより世界中から観光客が集まります。
住人でなければ出演することはできませんが、
村に住む約5000人のうち約半数の2500人が劇にかかわっているそうです。
次の開催は来年2020年、5月から9月にかけて100回以上公演されます。
多くの民家の外壁は童話や宗教を題材とした絵画や花の模様がフレスコ画で飾られており、
「ヘンゼルとグレーテル」や「赤ずきん」「七匹の子ヤギ」といった
有名な童話が描いてある家を探して歩くだけでも楽しいところです。
壮大な景色が見たいなら町の東側にあるロープウェイLaber-Bergbahnで
オーバーアマガウのラーベル山(1684m)に登れば
遠くミュンヘンまで見えることがあります。
冒険してみたいなら、町の西側にある
コルベンツァイル・チェアリフトKolbenzeilsesselbahnで
渓谷駅(850m)から山駅(1270m)に登り、
走行距離2.6キロ/最高速度40km/時のロングスライドコースターで
400mの高低差を駆け下りてみるのも面白いでしょう。
受難劇は上演されていなくても、
壮大なアルプスの景色や民家のフレスコ画、
木彫り細工のお店など小さい村でありながら見どころ満載なので、
ドイツ/ミュンヘンからオーストリア/インスブルックに抜ける時には
ぜひ立ち寄って頂きたいスポットです。
(Y.A)