ABI 2018!

EUセンター: ドイツ ハイデルベルク (2000年開設)

日々の暮らしでちょっと気になるテーマに注目!

 

小さな車にそんなステッカーが貼られていることがあります。

ドイツでアビと言えば、大学に入学するための試験アビトゥアの略で、

日本で言えば共通一次試験のようなものです。

 

大学進学を目指す生徒が通う学校をギムナジウムといいますが、

ここでの最後の2年間の成績とアビトゥアの筆記および

口頭試験の結果をもとに成績がつけられます。

生涯ついて回ることになるため、一生に関わる出来事です。

 

失敗しても合計2回までしか受けることはできず、最終学年で留年の形を取るため、

試験だけに集中できる浪人生活というのもありません。

 

合格を誇示する車はアビトゥア合格のお祝いに両親から贈られた

中古車である場合が多いようで、ドイツではまま見かけます。

 

いずれにしても、日本のように一発勝負ではなく、

最後の2年間の努力が評価されるのは、人によってはとてもありがたいシステムです。

マークシートが多い日本に対し、アビトゥアの筆記試験は記述が基本。

4~5時間といった長時間に渡り、A4の紙に10ページから15ページの論文を書いていきます。

カンニングは厳禁ですが、読解力・思考力・構成力の総合を問われる印象で、

カンニングできるようなものでもないように思われます。

 

来年夏に卒業する娘はそんなアビトゥアの筆記・口頭試験を

初春から5月の数か月に渡って受けることになっていますが、

日本の受験シーズンの雰囲気とは異なるようです。

大きな筆記試験をいくつも受けていくといったストレスで、

用意していれば焦る必要はないのだと本人も教師である夫も言います。

 

親類が遊びに来るのも全く意に介さない様子に驚く一方、

ドイツと日本を比べた時、一発勝負ではないドイツのやり方の方が、

複雑にはなるものの、子供の能力をはかる方法としてよりフェアであると同時に

高校の授業が最終学年になっても機能する方法の一つだろうと思いました。

 

(Y.A)

 

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