EUセンター: ドイツ ハイデルベルク (2000年開設)
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ドイツでは、短い夏が終わって「フェーダーヴァイサー(白い羽)あります」の
看板が出始めると秋の訪れを感じます。
これは発酵中のブドウジュース(白)で、酵母を除去しておらず、
それがフワフワと舞うのが名前の由来です。
アルコール度数4%から売られ始め、その後も発酵が続いているので、
買ってから数日*で飲みきるのが一般的。
糖分がアルコールに分解する時に発生する二酸化炭素により、
瓶の蓋をしてしまうと破裂の危険があるため長距離輸送は困難です。
また、日本では酒税法によって発酵中の飲料を
売ることはできないため、出回ることはありません。
ワイン用のブドウは種類によって収穫期が異なりますが、
フェーダーヴァイサーは一番早く熟すブドウで作ります。
そのため、他のブドウが収穫期を迎える前に飲むことができるのです。
一方、今週はドイツにあるワインの13特定栽培地域(名産地)の中でも、
高級ワインで知られるラインガウ(リューデスハイムを中心とするライン川の北側の地域)
で、リースリング種**の収穫が始まりました。
生産者・醸造所にとって一年で最大のイベントの始まりです。
この2週間は寝る間を惜しんで作業に明け暮れます。
今年のドイツはとても暑かったため、この種のブドウの収穫時期としては早いそうです。
結局ワインの決め手になるのはブドウなので、その質と量に一喜一憂するものですが、
数件の醸造所で今年は稀に見る実りの年だと聞きました。
2017年のドイツワインは期待できそうです。
*ワインの発酵にかける日数は、かつては冷却設備がなかったため5日程度。現在は低温で芳香を逃がさないように発酵させるため30日余りかかる。発酵が早いと二酸化炭素の気泡が激しく発生し、芳香が一緒に逃げてしまう。
**ドイツでは「ワイン用ブドウの王様」と評される種類。
Y.A