スイスの「ベルン」と言えば「熊」それとも「バリー」?

「スイスの首都は?」と聞かれたら、国際機関が集まるジュネーブや

世界一コーヒーの値段が高いと言われるチューッリヒと答えたくなりますが、

実は人口14万人に過ぎないベルンがスイスの首都です。

 

首都であると同時に旧市街が世界遺産に指定されており、

川によってU字型に包み込まれた中世の面影を残す町並みの迫力は圧巻。

 

爆撃されて戦後の復興でつぎはぎになってしまった欧州の他の都市も

かつてはこのような面持ちであったかと思うと戦争の虚しさを思わずにはいられません*。

 

さて、ベルンの名前の由来は「熊(べアBär)」から来ているとも言われ、

町の一角の熊公園では熊が飼われています。

 

一方では、街を作ったツェーリンゲン公 がドイツ語では「ベルンハーディナー」と呼ばれる

セントバーナードに驚いて言いよどみ、「ベルン!」と言ってしまったところから

その名前が来ているとも言われます。

 

いずれにしても、ベルンの町を歩くと、あちこちに熊とセントバーナードのマスコットが

お土産として売られています。

 

ちなみに、スイスの人が「チーズやチョコと同じぐらい世界的に有名」と思っているのが、

スイスとイタリアの国境にあるサン・ベルナール修道院で飼われ、山岳救助犬として、

40人以上の人命を救って活躍したとされるセントバーナードの「バリー」です。

 

実際にはたくさんいた救助犬の一頭に過ぎなかったそうですが、

救助犬を代表して美談で生前から有名になり、最後は修道院を離れ、

首都ベルンで息を引き取ることになりました。

 

それゆえにベルンのマスコットは熊に加えてスイスの国犬とされるセントバーナード…。

 

体重100キロを超えることもあり体格の大きすぎるこの犬種は現在では救助活動に使われることがあまりなくなったそうですが、

やはり樽(中にはアルコール度数の高いラムやブランデーが入っています)を首から提げて岩肌に立つ姿はいかにも頼りになりそうな印象ですね。

 

今もスイスを代表する親善大使として大いに役に立っています。

「バリー」は12歳で死んでしまいましたが、その毛皮にはベルン自然歴史博物館でお目にかかることができます。

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