ドイツ人は会話において直球を好みます。
特にビジネスでは顕著ですが、早々に本題に触れ、問題を明らかにし、
解決方法を講じて結果を出していくので効率的です。
一方で言葉の裏を読むという感覚があまりなく、
言葉通り解釈するという傾向も強い気がします。
長年住んでいても解釈がいまだに難しいのが、手伝いを申し出た時にまま言われる
「Wenn Du willst(そうしたかったらそうして)」の一言。
例えば皿洗いをしている人や重い物を持っている人に手伝いをオファーした時に
時折返ってくるのがこの返事。
日本人だと「いいよ、大丈夫だから」あるいは「ありがとう、助かるわ」といった反応に分かれると思います。
そのため、こういった返答だと「どちらを期待されているのだろう…」と相手の意図を読もうとしてしまいますが、オファーした側の意思に委ねられた形なので、「(敢えて聞いた訳だし)じゃ…(自分の意思で)手伝うよ」という展開になります。
しかし、手伝わなくても恐らく相手が気分を害することはなさそうです。
そもそも手伝いが必要であれば、「手伝ってくれる?」と声をかけてくるのがドイツ人。
言わないとわからない、言えばわかるというのは、ニュアンスで話を進める傾向がある日本人にとっては交流する上で見えないハードルとなることがあります。
ドイツに住んで17年、ドイツ人と交流する上で、自らの意思に基づいた直球が相互理解への早道である気がします。