ドイツでは9月が入学式で新しい学年の始まりです。
新学年というと配布される新しい教科書を心待ちにしている子供もいますが、
ドイツでは全学年において教科書は少なくとも5年は使いまわすのが普通なので、
多くの場合は新しい教科書として使用感の濃厚なものが配布されます。
これに文房具屋で各自買ってきた透明のビニールカバーをかけて1年間使うのです。
表紙の裏側には「この本は○○市からあなたに貸与されているものです。
きれいに使ってください」と但し書きがあり、
使用者(子供自身)/両親のサイン/使用期間の記入欄があって、
過去に誰が使用したのか分かるようになっています。
また、破損が著しい場合は、受け取った時にすでに存在していた
汚れ・破損を別途用紙に記入しておかないと、自分がやったことになってしまい、
後で弁償する可能性がでてきます(実際には余程でないと請求されないようですが)。
子供からすると
「真新しい教科書は嬉しいけれど、扱いに気を使うので面倒、再利用教科書の方が気は楽」
なのだそうです。
真新しい教科書を配布することによって親や国にかかってくる経済的負担を考えれば
エコ大国ドイツのやり方は合理的。
しかし、10年近くも使い回して時事内容が古くなりすぎ、
「メルケル首相が女学生のようだった」という笑い話もあります。
いずれにしても、家庭においてはカバーをつけるために透明ビニールシートを購入しておく、
もしくは買った店でシートをかけてくれるサービスを利用するというのが新学期の恒例作業です。