ドイツ人なら知らない人はいない、
ドイツの朝食には必ずといっていいほど登場するチョコレート風味の甘いスプレッド、
「ヌテラNutella」。
ヘーゼルナッツペーストをベースに、
砂糖、ココア、脱脂粉乳、香料、乳化剤などの材料を混ぜ合わせています。
その原形は、フェレロ社の創業者であるピエトロ・フェレロが、
1940年代に不足していたココアの代わりにヘーゼルナッツを使ったペーストでした。
最初の名称は、ジャンドゥーヤ(焙煎したヘーゼルナッツやアーモンド)の
ペーストPastaであるということから、「パスタ・ジャンドゥーヤ」。
後にこれを改称して「スーパークレマ・ジャンドゥーヤ」としましたが、
「Super」という表記を食品につけることが禁止されたため、
1964年には現在の「Nutella」に名称を再度変更しました。
Nutellaは造語でNut(ナッツ)とella(イタリア語での接尾詞型親称)を組み合わせて、
日本語のイメージとしては「ナッツちゃん」のような感じ。
ヨーロッパにおけるヌテラは実はレシピの違いによって2種類に分けられます。
ドイツのヌテラはよりココア成分を多く含み、艶に欠け、しっかりとした塗り心地。
イタリア・フランス・スペイン・オランダ・ベルギーなどは、艶があり、柔らかく、
南ヨーロッパで好まれるやや甘くナッツの風味をいかしたレシピとなっています。
これは多くのヌテラを大量に消費しているドイツ人が知らない事実です。
近年のヌテラで面白かったのはパッケージに個人の名前を入れるキャンペーン。
自分専用ヌテラのできあがりです。