EUセンター: ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)
センターより、直の、今の情報を発信して参ります。
ドイツでは自分の病気について知ることは子供でも当然の権利とみなされます。
そのため、子供がガンであった場合もそれを伝え、
向き合い方を教えてサポートする体制があります。
一方、闘病生活においては医師や親が判断する場合が多く、
人の判断に従い自分で決定できないことで、
自分を信じる力すなわち自信を持てなくなることが多いそうです。
2000年代に入ってこういった小児がんなどの子供たちを支援するための
自然体験キャンプ施設が各国で設立されるようになりました。
ドイツでは2003年に国立がん研究所やドイツ癌研究センターがある
ハイデルベルクに「ヴァルト・ピラーテン・キャンプDie Wald Piraten Camp
森の海賊キャンプ」が設置されています。
ここでは小児がんの子供やその兄弟・姉妹が約1週間親元を離れて
集団生活を送ります(収容体制46人)。
その活動内容は、水泳、クライミング、アーチェリー、ダイビング、カヌー、ハイキング、
窯焼きパン作りなど驚くほど多岐に渡り、実に魅力的です。
これに専門家による闘病体験や気持ちを伝えるコミュニケーションプログラムが加わり、
失望感や極度の不安と向き合う機会が設けられています(自由参加)。
この施設はドイツ小児がん協会の傘下にありますが、
1カ月半に一度というキャンプ開催頻度の高さに加え、
毎年の運営費約90万ユーロ(約1億円)がほぼ寄付で賄えているというのも驚きです。
死や病気など困難な状況に直面した子供に寄り添い正支えようとする試みは
日本でもありますが、公的機関が基盤となり社会全体で支える体制や
姿勢がさらに進んでいくことが望まれます。
(青木)
【関連サイトリンク】
http://www.waldpiraten.de/home.html
小児がんなどの難病をもつ子供のための自然体験キャンプ施設はアメリカ・カナダ・フランス・アイルランド・イタリア・ハンガリー・イタリア・オーストリアにあります。
http://www.holeinthewallgang.org/ (U.S.A)
https://www.barretstown.org/ (アイルランド)
http://www.boggycreek.org/ (U.S.A)
https://www.campgooddays.org/ (U.S.A)
http://www.dynamocamp.org/ (イタリア)