EUセンター: ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)
センターより、直の、今の情報を発信して参ります。
6月にロンドンでオープンした世界初のヌーディストレストラン「ブンヤディBunyadi」は
43,000件の予約が入る盛況ぶりです。
ドイツのメディアで、同じくヌーディストレストランとして 7月下旬に
東京でオープンされる「アムリタTHE AMRITA」が報道されていました。
しかし、2店のコンセプトは同じようでいて著しく異なるようです。
まず、ロンドンの方のこだわりはあくまでも「自然であること」。
衣服という拘束からの解放=裸であると同時に、素焼きの食器に炭火焼のメニュー。
ロウソクの光に自分で割った薪で暖をとり、可能な限り自然かつ自由であることに近づくというものです。
電灯や携帯は使えません。コックや従業員も裸という徹底ぶりには、ヌーディズムの信念が感じられます。
5品ディナーコースで8000円強というお値段。内装もインテリアも食器も
「自然」をテーマに安く上がっているように見受けられます。
一方、日本のヌーディストレストランは、「自然回帰」をテーマに
オーガニックフードを使用したコース料理を提供とあるものの
第一義的にはマッチョなモデルのお兄さんを見るのが目的という印象。
女性を同伴せよとあるのもおかしなところです。
15キロオーバーによる入場制限(最低ランクで入場料14000円)があり、
その場合入場料の返金はなしというハードルの高さはむしろ笑いをそそります。
そもそもこのコンセプトの場合、ヌーディストでもない自らがあえて裸になる必要があるのかどうかも疑問です。
しかも、裸とは言いつつ実際には紙製の下着に着替えるとあって、逆に卑猥な印象が否めません。
ドイツでは「一風変わった日本的アレンジ」として注目された気がします。
ヌーディズム先進国と言われるドイツの場合、ミュンヘンやベルリンを始めとする大きな都市では、
裸で日光浴や水浴をするヌーディズム実践者のための公認のスペースがあり、
その気になれば裸など見放題です。サウナも混浴が基本。
すなわち、ドイツでは、裸=常に性的感情を刺激するわけではないと理解されているのですが、
日本だと、裸=露出行為=性的感情あり、という図式になってしまって、
一口に「ヌーディストレストラン」といっても印象もコンセプトも変わってしまうのです。
日本のヌーディストレストランが風俗の一部と理解されずに受け入れられるのか、今後が気になります。
(青木)